七日目はこと如く予想が外れた、力士は疲労のピークに差し掛かる。

昨日ほど私の予想が外れた日はない、お相撲さんは今くらいが疲労のピークなので勝てるはずが勝てなくなってくる。もっとも今の時代はこの逃れられない疲労を乗り越えるくらいの体力を培う稽古ができていないのだから当然かもしれない。

さてぼやきから始まった今回のブログですが、遠藤ー千代の国戦から取り上げます。ポーカーフェイスの遠藤ですが、心の内に秘めた闘志を存分に発揮してくれました。顔から流血しても表情を変えず、自分のすることに集中して取り組んでいる。激しさの中にも冷静さを失わなかったことで苦しみながらも白星を掴み取った素晴らしい一番であった。対して千代の国であるが、こちらの激しい攻めがあったからこそ遠藤も光ったのだが、精神的な弱さが垣間見れた。まわしを取られたら厄介だから早い勝負をつけたかったのだろうがそれがなかなか思い通りいかないものだからだんだんイライラしてきて、相撲どころでなくなってきていた。自身の予想外の展開に慌て出し、突っ張りは相撲ではなく、痛めつけてノックアウトさせてやるという目的に変わる。だんだんエスカレートし、張り手を交え、しまいには白鵬顔負けのエルボーを繰り出す始末、あれはカチ上げではない。最後は自分の敗北を悟り、イタチの最後っぺのようにどうせ負けるなら爪痕残してやるという風な投げやりになっていた。

あの一番で、千代の国がなぜいいところまでいっては怪我をするのかが少し分かった気がする。精神的に不安定だからだろう、気分の波が激しくそれが相撲に出ている。連勝を続けている時は何でもないが、一度つまづくと妙に荒っぽくなる。まるでダダをこねる子供と一緒だ、思い通りいかない時こそ冷静にいかなきゃいけないだろう。いつまでも若くもないし、妻子もいるわけだから、自分の体のことも考えた上で、もう少し考え方が大人になった方がいい。でないとまた大怪我して番付を下げる、稽古もいいが、座禅でも行ってきたらどうだろうか?

冒頭で触れた遠藤と初日に対戦した妙義龍が一敗を守った。いぶし銀対決と銘打った初日の相撲を制した妙義龍が力強い相撲を見せている。かつて隆盛を誇った境川部屋も今は関取は二人、そんな中部屋頭として頑張っている。そうした責任感みたいなものも、彼の真摯な土俵態度から伝わってくる。調子のいい時なんてそうそうたくさんあるわけではない、勝てる時に勝って、そのまま上位と対戦して欲しい。今場所なら何かやってくれそうな気がする。

碧山ー阿武咲戦から、私の予想が外れまくった。阿武咲は一敗だから負けるわけないと思ったら負けた、霧馬山も昨日大関に勝ってと思ったら、お尻からひっくり返されてしまった。なぜか髙安が勝ち、御嶽海は前日までの流れが嘘のように負けた。貴景勝は首の影響を感じさせなかったし、正代は力強い。私にとっては、番狂わせだらけの日だった。前々から触れてるが、みんな勝ったり負けたりの展開が繰り広げられている。妙義龍を除いて一敗力士は消えた、今の時点で二差開いてしまっては、今場所の優勝予想は照ノ富士以外考えられない。これからまだまだ潰し合いは続くでしょう、それにしても長い間解説してる人が今場所御嶽海がやってくれると思うと述べていたが、んなことあるわけないでしょ?一体ここ数年何を見てきたのか・・・。ちょっと前半白星を重ねるとすぐ担ぎ出したくなる、もう少し冷静に分析をして欲しい。私の中では、専属解説者は現場監督並みに力士に寄り添ってほしい。実際そのくらい影響力を持っている、だから、目の前の白星に一喜一憂せずに、毅然とした対応をしてほしい。そしたら、力士も変わるのでは?

そんなことはさておき結びの一番は、琴ノ若が健闘していた。横綱初挑戦であったが、表情は落ち着いている。そして土俵上で横綱と対峙した時に、その見劣りしない体に淡い期待を抱いたものだ。さあいざ臨んだものの、全ての持ち味を余すことなく発揮していたが、それも照ノ富士には通用しなかった。予想通り双差しを狙った琴ノ若、前日の若隆景とは違い、肩幅も大きいしこれはひょっとするとと思ったが、横綱にとってはその他の人間と変わりなかったようだ。例のごとく待ってましたとばかりに両腕を極めて最後は盤石に勝ちを収めた。

これまで対戦してきた人間は実力者ばかりなのに、照ノ富士にかかると普通の人間に見えてしまう。あまりの余裕ぶりになんだか物足りなさげな表情にさえ見えてしまう。こうなったら、誰が照ノ富士をストップさせてくれるのかを期待するより、照ノ富士の連勝記録に期待してみようか?普通ならあり得ないのだが、今だとそちらの方が現実味があるのではないか?一番強い力士が一番充実した稽古をしてるのだから勝てるわけない。稽古パートナーの宝富士も横綱の恩恵にあずかって長い相撲でもへばることなく勝っている。この牙城を崩すのは容易ではないかもしれないね。

さあ中日八日目折り返し地点も注目しましょう!

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