誰かがこう言った、大谷翔平みたいな子が入門してくれたらと、いやいや違うでしょと。志高く入ってくる子はそれなりにいると思うよ。厳しい世界だってわかってるんだから、それぞれの考えのレベルは違えど覚悟はある程度決めてきてるよ。1番の問題はそういう子をきちんと育てられるか?ということ。今の親方衆でいったい誰が大谷翔平を育てられると思う?無理無理、そもそも二刀流なんて認めないだろう。二刀流を相撲に例えてみたら・・・、右四つ・左四つ両方極めたいという二刀流の相談をしようものなら、鼻で笑われて否定されるのがオチだ。それでも、頑なに志を貫こうものなら、稽古場で非合理な稽古を課し、言う通りにしなければどんなことになるか暗に訴えかけてくる。それでも効き目がなければ、まぁ昔なら暴力を振るったんだろうね、他の弟子にも見せしめとして。今の時代は、放置・無視だよ。そうやって潰しにかかる。形を変えただけのイジメだよね、ハラスメントとでも言おうか?
だから、先述した大谷翔平のような子をを渇望するより、育てる人間はいないのかと考えるのが普通だし、考えなければいけない。それがまともな考えである。結局素質のある有望な子に依存し、甘えてるだけなのだ。勝手に強くなればめっけもんとしか考えてないのだから始末に終えない(全員がそうではないが)。育てるんだという機運が高まらないことということは、残念ながら人を育てる情熱が薄いといわざるを得ないのである。
栗山英樹さんを見習ってほしい、大谷が日ハムに入団する時、誰が二刀流を認めていたか?世間は批判の嵐である、今日の活躍など一体想像できただろうか?もし大谷が大成できなかったら、世間の非難を一斉に浴びることになるし、自身の生活も成り立たなくなっていたかもしれない。そしてなにより、志高い将来性のある若者の人生を奪ってしまう、色んなリスク・葛藤を抱えながらも、自分と大谷を信じて英断したのである。こんな感動する話はない、こういった指導者にならたとえどんなに稽古がきつくてもついていきますよ。信頼関係は揺るがない。選手、つまり力士は一人では強くなれない。力士と親方・師匠両輪の如くうまく関係を築かないといけないのだ。
ん?今書きながらふと思ったが、大谷のような人間がいるではないか?皆さんお察ししたかな?そう、伯桜鵬だ。将来有望だし、師匠も宮城野親方だ。大谷と栗山監督の関係に似ている、まだ望みがあったね。現役時代から何かと批判もされてきた元白鵬こと宮城野親方。精神的にも大変だったと思うが、その都度批判の対象だった事以上の結果や振る舞いを行い、マイナスのイメージを覆してきた。何度一皮剥けてきたのだろう、それだけ人間としてデカくなり、引退して部屋を興してもそのまま反映しているのだ。
宮城野部屋だけにフォーカスしても、名古屋場所が待ち遠しい。あと二年後には、かつての藤島部屋のような一大ムーブメントが起こるような気がよする。でも、あの時ほどは無理だろうな。若貴兄弟、安芸ノ島、貴闘力、貴ノ浪・・・、そうそうたるメンツである。しかし世の中は儚い、今やその5人のうち一人しか親方になってない。真摯に相撲道に邁進してきた人間がどうして?と思う。感傷に浸っても仕方ないので、今をとことん楽しみたい。
あと、荒汐部屋も活気があるよね。部屋自体はそんなに大きくないけど、出稽古に訪れる関取が多い。非常に稽古がしやすいという証拠。こういう部屋は隆盛する、現に若隆景の勢いに乗じて、今度は若元春が大関獲りとなった。今や、テレビにも引っ張りだこであるし、知名度も弟を抜いたのではないだろうか?こうして、一人が怪我しても主役に事欠かないというのはなかなかない。師匠の人柄、それからつい最近表彰もされていたけど名マネージャーのおかげかな??