大相撲の世界で東京場所の前に行われる公の場での公開稽古、横綱審議委員会や理事の親方衆の前で日頃の稽古の成果を披露する場である。マスコミも多数集まり、日々しっかりと鍛錬しているかどうかのチェックも兼ねているがしかし・・・。長い巡業から帰ってきて、疲労も取れない中いきなり稽古の成果を見せよと言われてもどだい無理な話である。ハードなスケジュールを課し、尚且つ万全を要求するという昔から変わらない体制に疑問を感じざるをえない。
稽古総見の場は土俵一つに大多数の関取衆で行われるが、相撲を取る量が少なく体を鍛えるということはできない。アドバイスする人間もまずおらず、非常に意味のない世間へ向けてのイベントに過ぎない。しかも一番力が抜けるのは、稽古後の親方衆のコメント。誰それはすぐ息が上がってスタミナがない、それでは先は望めない、などもっともらしくこと言う。これにはため息しかでない、そんな一日の姿だけを見て人生が決まるくらいの大ごとになるだろうか?息が上がるからそれが日頃稽古不足だと思っているのか知らないが、常に体を鍛えていてもその日のコンディションを万全に仕上げるのは無理である。大衆へ向けてのリップサービス的で、重みのない、しかし威厳だけは保ちたいコメントなど誰もあてにしてない。
せっかく皆んなが集まって行うのだから、普段教えてもらえないことを指導してもらうとか、そういう技術向上の場なら非常に熱のこもった充実した稽古ができるはずだ。どうせ何も教えてもらえない、番数はこなせない、粗だけ指摘されて終わり。当の力士だってつまらないし何も期待していない、面倒臭いだけである。気をつけることは、当たり障りない態度を振る舞うだけ。そうしないと、相撲協会を去っていった人間たちのように村八分にされ、陰湿なイジメに遭うのだ。
白鵬が相撲のグランドスラム構想という名の下に活動しているが、もし報酬が支払われるプロ化になったら恐ろしいことが起こる。それは力士の大量離脱である、そうなったらもはや大相撲は終わりである。かつて大昔に、「春秋園事件」という大量の脱退者を出した事件があった。もう一つの相撲協会的な組織を立ち上げて興行を打ったが、失敗に終わったという流れである。白鵬のことだ、過去の出来事はしっかり把握し、同じ轍は踏まないよう心掛けているだろう。しかもバックにトヨタがついてるのが何より大きい。世界を股にかけた経営者の助言は大きな力となるだろう。私個人としては、大相撲VS白鵬の対抗戦などあったらいいなと思う。
