番付発表がされた、あっという間に7月場所が始まる。今年も暑いだろうなぁ、いつも以上に暑いと思う。私も七月場所は年六場所の中で最も成績が悪かった、まずは名古屋独特の暑いという気候の問題、それから愛知県民独特の偉そうな態度(一部を除く)、あと特に現役晩年は、行きたくもない場所後の隠岐の島合宿という憂鬱があり、成績は振るわなかった。合宿なんて名ばかりで、毎日飲み会に行くようなもんだった。酒がそんなに好きではない人間にとってはありがた迷惑である、場所の疲れを癒す期間なのに、見せ物のような稽古をさせられ、変に疲れた。結局お相撲さんは振り回される運命にあるのだなと感じたものだ。
今回の番付の顔ぶれを見る、上位は毎度お馴染みの顔ぶれで正直飽きてきた。お客さんはよく相撲をみるモチベーションを保っていられるなと感心してしまう。コロナ明けというずっと我慢してきたことの反動だろう、これが元の状態に戻って当たり前に通常の本場所が行われた時にどうなっているだろう・・・。顔ぶれを拝見して、パッパッパッて予想がつく、照ノ富士の八回目の優勝だろう、独走だろうが接戦だろうが優勝だろう。再入幕していきなり復活優勝したのもこの七月だよ、ただでさえゲンがいい上に周りに警戒する相手がいないのだから確率は高い。コンディション良=全勝or優勝、コンディション普通=全勝or優勝、コンディション悪=優勝、どんな状況でも優勝である。
照ノ富士に続く力士は・・・、予想がつかないというか、もうどうでもいいといった感じ。対抗馬として盛り上がるお相撲さんは沢山いるが、結局は二桁勝ち星で終わる、運が良ければ三賞受賞するくらいである。しかも伊勢ヶ濱審判部長独自の三賞をなかなか貰えない制度がありお相撲さん一同モチベーションが下がっているのではないか?しかも大関に勝ってもその評価はほぼ皆無に等しいのだから。
大関は角番なので、勝ち越すように仕上げてくるだろう。先場所よりは強いかもしれない。貴景勝は追手風部屋に出稽古に行ったみたいだが、そんなすぐに稽古が本番に反映されるわけではないから苦しい闘いは続くと思う。関脇以下は調子が良いお相撲さんは勝つだろうしでないお相撲さんは負ける、それだけ。先場所二桁勝った人が今場所も二桁勝つというイメージが湧いてこない。
今優勝や大関を本気で狙ってるお相撲さんいるのだろうか?最近は照ノ富士以外はまさか自分がといった感じで、たまたま調子や境遇がすこぶる良く、優勝してしまったという印象が強い。無心の境地というのも推奨されているし、確かに大事なことではあるが、それは上を目指す過程の中のある程度の経験を積んだ者だけがたどり着けることなのだ。眠れないほどのプレッシャー、どれだけ稽古を積んでも結果に出ないという壁が勝者には訪れる。その壁を乗り越えた時、一皮剥けて一気に駆け上がっていく。かつての横綱貴乃花が大関時代に何度も綱取りに失敗しながら、壁を乗り越えた時に二場所連続全勝優勝を果たし、誰も文句の付けようがない横綱昇進を果たした。そしてその後の隆盛に繋がった。
無心でやるとか、調子次第なんて軽いことは言わず本腰を入れてやってみてほしい。地位が人を作るなんて言われてたけど、今やそれは皆無。バラエティ番組に出てるような大関を見ればわかる。地位よりも思想・考え方が人を作る、今の相撲協会でそんな考え方したら浮いてしまい変人扱いされてしまう。その証拠に貴乃花親方は角界を去った、確かにおかしな行動・言動はあった。そのせいで、当時の我々現役力士はどれだけ迷惑を被ったか。しかし今思えば、相撲道に身を捧げ、自分の理想を追い求めた場所が余りにも違いすぎていたら、おかしくなるのも無理はない。今回松鳳山が引退して親方として協会に残れなかった件もそうだが、現役時代の実績だけでは安泰の道は開けないということがわかった。しかし、親方として将来の理想像などを熱く語ったらどうなるだろう?生意気だと思われ出る杭は打たれる。息を潜めて、忖度するしか手はない。しかし、そんな世界に未来はあるだろうか?
相撲協会に残ることが成功のステータスなんていう価値観に惑わされてはいけない、将来より今であるし、これからは外の世界の方が成功者になる時代が必ず来る。お金や安定で物差しが測られるような考えはもう古いし、発想の転換をしなければ時代に乗り遅れてしまう。