11月場所も無事終わった。力士の皆さん今年一年もお疲れ様でした、今年も大変だっただろう。ストレスはマックスなのではないだろうか?さてさて場所を振り返るというのも億劫なくらい、誰でも簡単に予想ができた照ノ富士が優勝という結果。忙しかったのもあるが、場所の相撲はほとんど見てない。しっかり見たのはABEMAの解説の出番があった2回だけ。その1回目のときは、中入の結果の決まり手が投げ技が一番だけであった。しかも押し相撲の御嶽海の掬い投げだ、押しを否定するわけではない。叩きや突き落としだって技だ、そうではなくて勝負が決まるまでの攻防が蛋白すぎたのだ。
相撲は立ち合いの良し悪しで7割が決まると言われている、それは事実だし立ち合いはスタートダッシュを切る重要な要素だ。しかし、毎回こちらの都合通りに立ち合いがうまくいくとは限らない。いくらお互い見合って呼吸を合わせてというルールがあっても、そのなかで0コンマ1秒でも早く踏み込みたいのだ。なので、タイミングに失敗することもある。今の力士は、ここでほぼ勝負が決まってしまう。立ち合いの確率の残り30%を使えない、ただ一人照ノ富士をのぞいて。行司が軍配を返して、ハッケヨイと言った時点でほぼ勝負の行方はわかってしまう。相撲の醍醐味はそこからなのに大変残念だ。
話をいよいよ本題に移そう、再入幕の阿炎の活躍についてである。彼が12勝3敗という好成績をあげることが出来たことは、もちろん本人の努力の賜物である。が!しかし、贔屓目だけでなく客観的に分析をさせてもらえば、残念ながらそれだけでない。まずは、みんなわかっているけどあえて目をそらせている、幕内のレベルの低下は否めない。いくら努力して這い上がってきたところで、立ちはだかるのが幕内という壁である。昨今再入幕優勝が乱発したが、これだと今まで幕内を張っていた力士の価値はどうなるの?優勝、もしくは大勝ちして三賞取れるなら、無理に幕内の番付を保つ必要がないんじゃね?ってひねくれた相撲取りが出てくるかもしれない。
おおまかに考えると阿炎のしたことはそんなに悪いことではないかもしれない、昔のお相撲さんなんか現代であれば全員クビだ。しかしみんな我慢して外出せず、耐えてきた。耐えた人間が報われないでどうする?程度はどうあれ、悪いことは悪いのだ。けれどもなんかお帰りなさいムードがあったな、日本人って・・・。今場所中の会場も声が出せないから、ヤジもブーイングもなく分け隔てなく拍手を送ってくれる。それも阿炎にとっては、やりやすい環境だったかな。
それからね、しばらくは奥さんの元を離れて部屋で生活するなんてしてたけど、これを冷静にとらえたら部屋の方がいいに決まっている。性別も価値観も違う人間が一つ屋根で暮らすということは、どういうことか既婚者の方ならおわかりだと思う。阿炎に限っておならできないとか、裸でうろうろできないということはないだろうが、相撲部屋とはまた違った気遣いが必要なはず。これが美談に仕上がったことで、阿炎は世間を味方につけた。
優勝したらメイクドラマができただろうが、照ノ富士がそうは問屋がおろさなかった。しかし私はこれでよかったと思う、優勝でもしたら相撲の危機になる。周りがやる気をなくすだろう、全体の士気が落ちより一層相撲のレベルが落ちるだろう。三賞獲得するだけでもそれに近い現象は起こると思う。
来年は大相撲の見所をどこにあてはめればいいのだろう?こうなったら照ノ富士の連勝記録を期待するのが一番かもしれない、ひそかに大関候補にしてた明生も負け越してしまった。なぜ稽古した力士が勝てず、ろくに稽古もしてこなかったロートルが未だにはびこっているのかがもどかしくて仕方ない。
相撲の神様、どうか来年は真面目にやってきた力士を飛躍させて下さい!不真面目だった私が願掛けしたところで、神様は振り向いてはくれないかもしれないけどね(笑)