筋肉は運動する上で必要この上ないもの、相撲もそうです。じゃあボディービルダーやムキムキの筋肉の人が相撲が強いの?と聞かれたら答えはノーです、相撲には相撲力というものが要求されるからです。相撲力を得るには四股・すり足・テッポウの基本動作と申し合いや三番稽古といった相撲を取る稽古、仕上げのぶつかり稽古です。これ以外に強くなる方法はありません。
伸び悩んでる力士が気分転換にスポーツジムに通い始め、肉体改造をして好成績をあげたという話題はいつもあります。しかし、その後どうなるでしょう?結局伸び悩み、挙句に怪我をしてしまいます。
全員が全員ではありませんが、この負のスパイラルに陥るのです。気分転換にジムに通い初めの頃というのは、それまで蓄えられた相撲力にプラスアルファで筋力トレーニングの効果がミックスされて好パフォーマンスに繋がった。しかし一度この味をしめると、まるでジムのトレーニングがいいのだという錯覚に陥り、そちらにばかり気を取られてそれまでの相撲の鍛錬の割合が減ってしまうのです。
相撲の鍛錬は地道に長い時間をかけて作り上げるのでとても大変です、大変だからこそただの筋肉とは違う相撲力が養われるのです。長い時間がかかればかかった分、衰えにくくなります。1日2日で終わる試合と違い、大相撲の本場所は15日間あります。長い期間衰えない体をキープしなければなりません、場所中に追い込む稽古したところで遅いのです。なぜ相撲の鍛錬が大切なのか今一度考え直す時期に来てるかもしれません。昨今四股を踏む回数が減ってるのと、怪我人が多いこと、関係性がないとは言い切れません。