インカレとは大学選手権、相撲でいえば全国学生相撲選手権である。今年の大会は一昨日と昨日あった。埼玉の上尾という都心部からはだいぶ遠いところにあったが、行ってきた。自分がいかに相撲好きな性なのか思い知らされる、会場は関係者以外立ち入り禁止。ただし屋外だったので、見れないこともなかった。
見てて正直に思ったこと、緊張感ない選手がいたのが残念で仕方ない。ガッツポーズなど礼節に欠けることなどはもはや末期症状であるから言うに及ばず。「礼に始まって礼に終わる」なんてスローガンはやめにして「勝てば官軍」にあらためたほうがいい。
それよりもガッカリしたのは、自分の出番直前という緊張感マックスに持っていかなければいけない時に他校とヘラヘラ喋ってる奴がいたこと、なに考えでるのかさっぱりわからない。しかも、負けた時足引き摺って下がっていった。痛いなら棄権すればいい、怪我のせいで負けたアピールなどしないでほしい。実力負けだよ。
インカレは大学相撲部に入部したものにとっては最高峰の大会で最大の目標である。特に団体優勝は学生にとって、何がなんでも欲しい栄誉だ。各々それに向かって必死に努力してきている、自分が勝つということは相手を負かさなければ成り立たない。対戦相手はもちろん、対戦相手にゆかりのある人達の夢を打ち砕くことになるという責任というものが生じる。だから先人は武士の魂ではないけれど、勝って驕らず、負けて挫けずなどたくさんの言葉を残した。ガッツポーズに代表されるように、遊びにきたようなテンションで試合に出てこられて負けた相手はどう思うだろう?勝っても泰然としている選手なら、心技体全てで完敗と納得もいくと思うが馬鹿みたいに大声あげてはしゃいでるやつみてどう思うか。
私の大学時代は日大の常勝時代、近大は今の高砂親方が大学四年生の時以来26年間優勝してなかった。当時22歳だったからもう産まれる前の話に遡ってしまう、とにかく全てを犠牲にするくらいインカレに賭けた。嫌な思いもたくさん強いられたけど、たった一瞬でも輝けるならと自分に言い聞かせながら。
それで団体戦は優勝できた、個人も優勝したけどこれは団体戦に賭けた思いの付加価値である。でも、この後が大変だった。人生の燃え尽き症候群になってしまった、そりゃそうだ。全てをかけてこれ以上ないくらい気持ちを入れて達成したらもう何もしたくなくなる。まだ22歳なのに、人生終わってもいいくらいの感覚だった、その後の方が長いのに。
勝つというのはそのくらい大きなことなんだと今あらためて思う、大変な思いをしたけどこれは人生の財産であるし、今でも誇りに思う。相手を親の敵くらい思って相撲を取ったって、時が経てばノーサイド。人生の中のたった4年間だけども、のめり込んだっていいじゃない。
フリーランスで、自分で全部準備して大会出るなら笑おうが泣こうが勝手だけど、住む場所・食べる物・稽古場・遠征費・チームメイト・もろもろが全て大学あって成り立ってるわけでしょ?大学の看板背負ってるわけなんだから。自分の行動が、大学のイメージになるってくらい思っても大袈裟じゃないよね。