食べることは生きること

自分でタイトルを書いて、何を当たり前のことを言っているのだと突っ込みたくなるが、今我々がうっかり忘れているような気がしてならない。年の瀬になり、家人も仕事最終日を迎えた。私はすでに年内の仕事は終えていたので一年間の労をねぎらう意味も込めて朝ごはんを拵えた。朝はシンプルイズベスト、ご飯にお味噌汁に香の物におかず少々である。この中で最も重要なのは味噌汁ではないだろうか?発酵文化の大国日本のなかにあって誰もが親しんでいる調味料である。最近ではやれ塩分が高いので気を付けようなどと避ける風潮を謳う人間が多いが、こういう方々は健康の本質を知らない、もしくは知っているけれども、真実より利益を求めてる輩に過ぎないので注意が必要だ。

朝ごはんにおいての味噌汁ほど美味しいものはないと私は感じる。いただきますと唱え、最初の一口味噌汁を啜った時の体の喜びようといったらない。甘み、塩み、など風味を兼ね備え、香り、温かさも相まって体の中に入った時の五臓六腑に染み渡る感覚は、他の食べ物では感じ得ない。どんな最高級料理とはいえ、「朝」の味噌汁に敵うものはないだろう。以前もブログに書いたが、朝の食事は「金」である。

そういえば、宮沢賢治の有名な「雨ニモマケズ」という作品があるが、その中でも「一日に玄米四合と味噌と少しの野菜を食べ」というくだりがある。先人たちも言う通り、日本人の食事というのはやはり玄米(現代では雑穀米でもいいだろう)と味噌汁、野菜(香の物)が適しているのだ。朝飯は抜いたほうがいいなどという有識者がいるが、それが一般的になった今の日本人の活力の無さはいかがなものだろうか?太ってしまうなどと心配するなら、体を動かせばいいだけの話。食べないから動かない、やがて腹が減ってまるで餓鬼の如く食べるから、結局無駄な肉が付く。エネルギーを摂取し、それを発散し排泄も行うことで、きちんと循環された代謝のよい健康な体へとなっていくのである。

朝ごはんのもっとも美味しい食べ方を教えよう、起床後すぐには食べない。少し体を動かす、ストレッチやトレーニングもよいが私は掃除をお勧めする。なぜなら、ほど良い負荷でありながら、一日として同じ動きがなく(毎回埃がどこにいくかわからない)、体だけでなく頭も使うので、結構エネルギーを消費する。目が覚め、体も起きて、内臓も活発化してきたところでいただきますだ。どうせなら、おいしく食べたいはず。結局健康になりたいならば、古き良き日本に立ち返るべきなのだ。