天覧相撲

この間、久方ぶりに天皇陛下ご夫妻と愛子さまが国技館で相撲観戦された。日本人はお偉いさんが大好きなようで、相撲プラス天皇がセットになっているとそりゃあ長生きするのではと思うくらい感動するみたいである。その日は相撲を観ていなかったが、翌日街で売られていたスポーツ新聞が各社一面トップで掲載されていた。遠目で見ただけなので、内容は把握できない。かつて昭和天皇の時代、麒麟児vs富士櫻の取組が伝説が語り継がれているが、そのような名勝負がこの令和に生まれたのかと気になって新聞紙を見たら、横綱大関が全員負けたと・・・。新聞各社はいいこととして取り上げたのであろうか?天皇陛下の前で番付下位の力士が大奮闘と。はたまた、御前試合において情けなくも番付上位が総崩れという悪い意味で掲載したのか?どちらなのか真意は不明であるが、野球などのようになぜ連日新聞のトップを飾らないのか。今相撲人気はうなぎのぼりと言われているが、社会全体としてはそうでもないという表れである。

私はかつて、若貴兄弟という相撲ブームの真っ只中にいた。あの頃の人気といったらない、特に貴花田(後の貴乃花)が11連勝した時などは連日新聞一面をトップで飾った。国民的スターだったのだ。今の大の里にそのくらいの存在感があるとは思えない、なぜなら一般人で知らないという人が多いからだ。相撲愛好家の方達からしたら信じられないかも知れないが、そんなものなのだ。かつての貴花田がなぜそこまで人気があったのか・・・、甘いマスク、数々の史上最年少記録を塗り替えるほど若かったから、境遇が親子二代の力士だから。どれも違う、これらに該当する力士は他にもいた。そうじゃない、貴花田本人は自分の騒がれる立場をわきまえ、もし大成できなければ親にも相撲道にも迷惑をかけると、それこそ普通の家庭で育ってきた弟子とは比べものにならないくらい努力をしてきたのだ。特に相撲界はやっかみがひどい、陰湿ないじめだって受けてきただろう。そういう風に研鑽を積んできた人間というのはとても魅力的でオーラが満ち溢れているものだ。

今の大相撲界にそのくらいの存在はいるだろうか?業界内部の人間に聞いたことがあるが、支度部屋が和気藹々としていて、緊張感がまるでないらしい。現場は今の人気は自分たちが支えているとでも思っているのだろうか?ここまでくると、次の衰退期が始まったらもう取り返しがつかないと思う。悪いものは時間をかけてやってくる。