はじめ塾 後編

 前日川遊びや、相撲を取ったことで夜はぐっすり眠ることができた。普段も眠りに入りやすい方ではあるが、何も考えずに自然に眠りにつくことができるほど幸せなことはない。現代人で苦労せず快眠できる人は一体何人いるだろう?不眠で悩まされている人ははじめ塾に体験に行った方がいい。深い眠りにつき、朝は4時過ぎの日の出と共にひぐらしの大合唱が始まり目が覚めた。私は、ひぐらしの鳴き声が好きで癒されるのであるが、あれだけの鳴り響く鳴き声を聞くと、もはや癒しの域は超えている。しかし、目覚まし時計などの人工物などより、自然の音で目が覚めるということがどれだけ体に良いか。朝のスタートから、我々現代人とは既に差がついているのだ。

6時前に母屋へ行ったが、まだ誰も起きてないようだ。塾長の和田さんと私にはじめ塾を紹介してくれたBenさんだけは起きてらっしゃた。和田さんに神社に行きませんか?とお誘いを受けた。この地はかつて後醍醐天皇の一族を保護した地であるらしく、それに関係した神社らしい。思えば私も横浜に引っ越し、鎌倉によく通うようになって「鎌倉宮」という神社に行ったが、そこも後醍醐天皇の一族と関係のある神社だったので、何かご縁を感じた。歴史好きな私にはたまらない、ぜひ行きたいです!ということで子供達とみんなで向かうことになった。起床は太鼓の音と共に始まる、お寺さんの朝と一緒だ。

 

神社は本当に山の上の周りに何もないところに建てられていた。山深いのにキレイに手入れされている、地元の方に大事に守られてきたのがわかる。そんな厳かな場所で、お参りしたあと塵手水や四股をさせていただいた。まさに奉納相撲である、朝の新鮮な空気と、神社という空間が余計に心地よくさせてくれた。

神社から戻ってきての朝ごはん。とてもうまい!キレイで神聖な空気の場所で体を動かしたあとの食事はエネルギーになる。少なく盛ってあるが、おかわりはたくさんあるので困らない。皆んなピシッと正座して食べている、だからと言って無言で黙々と食べるわけではなく、楽しく食べている。合宿参加して間もない子には、慣れている子が傍らに付き添い、色々アドバイスしている。やらされているわけでもなく、自分から進んで助け合う姿に学ばされた。

前日に引き続き、相撲の動きを指導させていただいた。今回はすり足も行う、同じほうの手と足を動かすバランスの強さを体感してもらう。手足バラバラの歩き方を普段してるせいで最初は慣れないが少しずつ形になっていく様を見ていてとても楽しい、はじめ塾の子供達は普段から目一杯体を動かし、なおかつ不安定な山や川で遊んでいるので飲み込みが早かった。

体を動かしたり、今度はお話もさせていただく。自分の相撲のルーツ、楽しかったことばかりではなく、辛かったことも話す。皆んな真剣に聞いてくれるので、こちらも熱が入る。そのあとは質問学習といって、子供達が色んな質問をしてくる。相撲についての質問が多くて嬉しかった、中には奥さんとの出会いを教えてという子供もいて面白い。そんな質問には、「いい質問ですね」と言って、包み隠さず話す。相撲ばっかりじゃ硬いでしょ?たまには柔らかな話もおり混ぜる。

講習も終わり、薪割りもさせてもらった。人生初である、餅つきはやったことあるし、似てるからいけるかなぁと思ったけど、やはり刃物だから怖い。写真を見ると、腰が引けているね。17歳の子がテンポよくどんどん割っていく、力だけじゃなく、体幹というかバランスがやはり重要なんだよね。全身使って気持ちがいい、都会じゃまず経験できないです。

 朝飯食べたのに、薪割りでお腹がすき待ってましたのお昼ご飯。写真撮るの忘れたけどパスタでした。この食事が終わればいよいよ帰るということになっていて、いよいよ寂しくなってきました。この日から合宿に参加した小学三年生の子が早速お昼ご飯を手伝って作った料理は余計に美味しく、寂しさも増す。

 食事時はみんな揃っているから、最後に挨拶させていただいた。まさかこんなに後ろ髪引かれる思いになるとは思わなかった。最後にBenさんの車で駅まで送ってもらうのだが、皆んなで見送ってくれた。これで終わりではない、なんと数人が車が発進してからも走って追いかけてきた!学園もののドラマじゃねぇか(泣)。下り坂だからいいけど帰りきついやんけと心配しつつも子供達の心遣いに感謝し、私の夏休み(本当は勉強しに行ったのだ)である一泊二日はあっという間に終わった。

 はじめ塾の合唱に参加して率直に思ったのは、「人生は捨てたもんじゃない」「希望の光が見えた」「学ぶ相手に年齢は関係ない」である。生きることは大変だ、疲れることもある。そんな時ははじめ塾にお邪魔すれば何かが見えてくるような気がする、もしかしたら私たち現代人の駆け込み寺のような存在なのかもしれない。

 あらためて、このご縁を作って下さったBenさん、塾長の和田さん、そして合宿でお世話になった子供達に感謝の気持ちを申し上げます。本当にありがとうございました!

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