はじめ塾(前編)

先日、神奈川県は丹沢の足柄上郡山北町に行ってきた。まずは横浜から東海道線で国府津駅まで向かう。

 そこから御殿場線に乗り換えて山北駅まで行く。

 そのあと車でまたさらに山の上まで乗せてもらい、どんどん山深い場所に入っていく。ようやく到着した場所には、大きな古民家風な建物が存在し、子供達が元気に遊んでいた。

 そう、ここはタイトルにもある寄宿生活塾の「はじめ塾」の夏季合宿が行われている場所だ。下界は猛暑なのに、山の上なのでクーラーなしでも凌げる。はじめ塾は、普段小田原市で塾長の和田正宏さん家族と寄宿生15人くらいが一つ屋根の下で生活しているが、この日は夏季合宿限定での子供達も含め、述べ40名近くの人数がいた。例え子供達が相手でも緊張するものであるが、着いて早々に元気な声で、しかも自然に明るく笑顔で、挨拶をしてくれた。最近は、世渡りの処世術的な心なき挨拶がよく出るが、ここの子供達にはそんな打算的な物はない。心が軽くなり、気持ち良くなったのは、決っして自然の空気がおいしいだけではないはずだ。

 子供達が川へ行くというので同行させてもらった。到着するなり皆んなは不安定な道をスルスルと降りて行き川へ向かう。

 私は普段四股などで体を鍛えてるつもりだが、自然の前では役一切無力に近かった。子供達は遊びの中で夢中になりながら体を鍛えてる、好きこそものの上手なれとはよく言ったもので、楽しみながら体を強くしている彼らには到底敵わない。屁っぴり腰で下っていく私、川へ入る前にもう筋肉痛みたいな現象が起きていた。やっと川へ入る、足だけだが気持ちいい。

 着替えがないので、転ばないように不安定な場所を歩く。滝のような場所では、まるで行のように打たれる子供達。

 水面を見れば、おたまじゃくしや、かじか、はや、カニなどがいた。経験豊富な子供達は、一生懸命捕まえている。たった小一時間でも、体を目一杯使った感じがして心地よい疲労感になった。自分を律してトレーニングをしてるのとはわけが違う、体を鍛えることの神髄を垣間見ることができた。

 合宿所に戻ると、年上のお兄さん、お姉さんを中心にご飯を作っていた。大人も手伝うが基本は子供達が作っているのだそうだ、まるで相撲部屋だ。ご飯ができる間、相撲の話をさせていただいた。話だけではつまらないと思い、四股などの体の動かし方も実技指導させてもらった。

 相撲を取らせるのは危ないかなと思い、基本動作だけ教えたのだが、むしろ子供達から相撲を取りたいと申し出てきた。皆んなのエネルギーがとにかくすごい!ここは我慢させずに目一杯動いてもらった方がいいと思い、急遽相撲大会みたいなことをした。

 皆んなとにかく元気がいい^_^元気が良すぎて怪我に繋がらないように、多少面倒ではあるが所作は丁寧にやってもらった。塵手水で気持ちを落ち着かせ、勝負が決まった後も、きちんと礼をする。ただ勝ち負けを決するスポーツではなく、礼を重んずる神事を強調したかった。そうすると、不思議と怪我はせず、けれども動きはピカイチだった。

 男の子も女の子も関係なく、皆んなが参加してくれた。技を教えてほしいと必死に聞いてくる子もいたので、こちらも気合いが入る。生半可な気持ちじゃないことが痛いほど伝わってくるので、こちらもそれなりに気持ちを込めて教える。

こんなに興味を持ってくれる子供達と今まで出会ったことはない、そしてこんなに教え甲斐のあることは今までなかった。相撲経験者ほどしんどそうに取り組んでいる、今楽しんで相撲に取り組んでいる人間は果たしているのだろうか?教える側、教わる側、全ての人間が楽しんで真剣に取り組める場があれば、相撲という世界はまだまだこれから発展できると感じた。

 時代だから仕方ないとか、諦めムードが自分の中で漂っていたのも事実である。しかし、この日の出会いで子供達から勇気をもらい希望の光が見えた。皆んなに楽しんでもらった以上に私が子供達から勇気と希望、あらゆるパワーをいただいた。

 川で遊び、相撲を取り、目一杯体を動かした後の晩御飯は格別に美味しかった。

 写真は盛りは少なめだが、おかわりはたくさんあったので遠慮なくいただく(笑)。一見質素に見えるかもしれないが、栄養満点な食事なのだ。自分達で作り、自分達で盛り付けるから丁寧にキレイに食べる。食事中は正座、姿勢も正しいから、消化もきちんと行われる。この合宿に来ている子供達は誰一人肥満の子はいない。

 1日目は午後からの参加であったが、あっという間に終わった。疲労感が心地よく、すぐに眠りにつくことができた。2日目の模様はまた後日紹介したいと思う。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です