凡戦だらけの三日目

 昨日はABEMA解説も行い、今場所の中入の取組を初めて通しで見た。しかし相撲がこんなに面白くないと思ったことはない、相撲内容はもちろんのこと、注目力士同士という黄金カード的なのもなかった。ABEMAではその中でも注目力士、注目の取組を選ばなければいけない。力士個人は嫁さんのお母さんがファンであるという若隆景を、取組は宇良-豊将龍を挙げた。

 幕内前半は、単調の攻めと取組の時間の短さでどうコメントを絞り出せばいいのか大変苦しかった。面白くないの一言では当然終われないわけだから、勝因・敗因を細かく言ったつもりだ。前半の注目力士を阿炎だなんて、お笑いの世界かと思ってしまった。怪我・病気したわけでなく不祥事で番付落としただけなのだから、実力が伴わないわけない。見事な復活!なんて称えてどうするんだ?勝って当然であるし、インタビューはせず、周りも自粛しないと。それから北勝富士に関しても、怪我で番付を落としているだけなのだから2連勝注目ですなんて本人に失礼だ。元々上にいたのだから、勝って当然、力士のプライドに障る。

 後半になって、ようやく宇良-豊将龍の対戦になったが、世紀の凡戦とはこのこと、なんの変哲もない突き落としで終わった。気迫を全面に出して、何かしてくれそうな雰囲気は出していた豊将龍であるが、実は立ち合いビビっていたのを露呈してしまった。見かけだけ横綱朝青龍の真似をしても仕方ない、いくら親戚でも人は人、自分は自分と、身の丈にあった振る舞いでいい。

 結びに近付くにつれて、強い力士が登場しネームバリューが光るが、相撲は相変わらず単調だ。立ち合い成功すればそのまま勝ち、失敗すれば負ける。勝敗の鍵を70%を握っていると言われる立ち合いであるが、残りの30%で持ち直す力士は照ノ富士以外見当たらない。ファーストコンタクトで、ほぼほぼ勝敗の行方が決してしまうために時間が短いのだ。 

 後半もほとんど注目する相撲はなかったが、御嶽海-大栄翔戦は百歩譲って少し注目した。御嶽海のふてぶてしいほどの余裕ぶりと、ガチガチに肩に力が入ってる大栄翔では仕切りから勝敗は決していた。実力差がほとんどない分、心理的な面が大きく左右する。伊達に長く三役の座に君臨していない御嶽海は、この辺を熟知し、冷静に相手を分析できているのだろうか?

 慌てずじわじわと前に出ていく、思い通りいかない大栄翔の苛立ち焦りを的確にとらえ、最後は掬い投げで仕留めた。私の見解としては、御嶽海という人間はいつでも大関へ上がる準備はしていると思う。しかし、今の時期に上がってもいいことはないということを知っている。正代や貴景勝を見れば誰だって上がりたいなんて思わない、ましてや横綱なんて絶対上がりたくないだろう。プレッシャーばかりかかり、番付面での優遇より負担の方が大きい。デメリットだらけの地位を目指すよりも、関脇をキープした方がはるかに見栄えがいい。たとえ優勝しなくても、大関・横綱を倒せば評価される。何より既に2回優勝してるということだけで、うるさい外野を黙らせる印籠は手に入れた。前半勝てるだけ勝って勝ち越しを決め、後半戦は気楽に無理せずのスタイルはたぶん一番長く生き残るだろう。過去に誰もいなかったこのスタイルをよく自分で築きあけだものだと感心する。

 貴景勝はタイミングと力強さの突き落としを決めた。先場所よりもだいぶ調子がいい、しかしこれで優勝争いなんて言うことが時期尚早だ。過去何回これに期待して、裏切られたか。結局今の力士は体が弱いから後半まで好調がキープできない、これはイメージや予想ではなく、過去の事実である。照ノ富士には勝てない、勝てるとしたら、照ノ富士が怪我するかミスした時であり、自力でもぎ取ることは不可能だ。

 ちなみに昨日の中入の取組で、決まり手の投げ技はたった一番だけであった。しかも押し相撲の御嶽海のである、だから=つまらないと決めたくはないが、単調な攻めで一体だれが盛り上がるのか不思議で仕方ない。

 

 

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