九月場所が始まる。

いよいよ、待ちに待った大相撲九月場所が始まる。10日に取組編成が行われ、初日と二日目の「割」(取組)が発表された。残念ながら先場所覇者の横綱白鵬がコロナのため休場となり、いささか寂しさも感じられるが、そこは致し方無いところではあるので、気を取り直して本場所を展望していきたいと思う。

優勝候補は?と予想を立てたくもなるが、少々気が早い気もするし、始まる前からこれじゃあ現場で頑張る力士達に申し訳ない気もするので、最低でも序盤戦が終わるまでは優勝の話題は伏せておこうと思う。しかしのっけから圧倒的な実力の差が見えすぎる展開になれば話は変わってはくるのだが・・・。まずは1日1日の取り組みの相撲の展開や注目の一番などに着目していきたいと思う。

では早速初日の中入の取組を占っていきたいが、前半戦だと遠藤ー妙義龍戦に注目したい。すでに両者ともベテランの域に入ったが、ネームバリューは未だ色褪せてない。このいぶし銀の対決は、始まる前からとても楽しみである。かつての全盛期の動きは残念ながら期待できないと思う。しかし、例え前半戦であっても、この二人が土俵で対峙すると、相撲ファンは盛り上がること必至だ。プロレスだって、往年のレジェンドレスラーがリングに上がればそれだけで華になり、会場のボルテージは最高潮に達する。動きは二の次なのだ。遠藤も妙義龍も、もちろんこれからも上を目指して貰わなければいけないことは大前提である。が、自身の存在感というものがどれほど凄いか認識し、自覚と誇りを持って、堂々と振る舞って欲しい。

続いては、志摩ノ海ー阿武咲戦を挙げさせていただく。なぜこの一番が注目なのかと疑問に思う人もいるだろう、確かに本人達には申し訳ないが、ネームバリュー的にはそれほど大きくはない。しかし、体型や相撲の取り口が似ているということで選ばせてもらった。彼らは同じ押し相撲である、けれども同じ押しでも、そこからさらに種類が分かれる。文字通り押しだけの人、突っ張りを展開する人、おっつけを得意とする人など多種多様なのだ。同じ押し相撲同士だからこそ、「押し」という攻め方の奥深さを垣間見れるかもしれない、そう思いこの一番を選んだ。はたきなどの多用で凡戦にならないことを願うばかりだ。

はい、そして待ってました宇良の登場であります。相手は宝富士だが、どのような動きを見せるのか?宇良の得意の流れとしては、攻めてくる相手の勢いを利用して、潜ったり横についたりとトリッキーな動きを見せる。しかし今度の相手は自分から攻めてくることをしない、重い腰を活かしジワジワ様子を見ながら相撲を取る。それに照ノ富士と充実した稽古を積み重ね、目立たずとも充実している実力者だ。この相手にどんな動きを見せるのか?最近増量にも成功し、馬力もついてきたので一気に攻めるか?その辺の予測できないところもまた楽しみだ。

先場所好調だった同士、玉鷲ー琴ノ若も初日から組まれた。12勝を挙げ敢闘賞を受賞した新進気鋭の期待のホープに、まだ休場が一度もなく、元気なベテランがどれだけ壁になるか?玉鷲にはベテランという言葉は似合わない、彼の性格や言動もそうなのだが、相撲が元気で、陰りが見えないからだ。まだまだ上を目指せる相撲を取っている、しかも最近になって頭からのぶちかましも覚えた。これは鬼に金棒である、優勝という経験も後押ししている。フレッシュな琴ノ若より目立って仕方ないこの力士は、間違いなく上位にいる力士には脅威だろう。

髙安ー若隆景戦からは、もはや語る必要のないくらいの好取組が目白押しである。一番一番取り上げていたらキリがないし、相撲ファンの方は語らずともわかることでしょう。優勝は誰かということを一旦隅に置いておいて、純粋に戦いだけを見ようとすれば、これほど面白い取組はないだろう。実力差がほとんどない横一線の展開から、頭一つを抜け出すことは容易ではないが、その分誰が勝つかわからないという楽しみが生まれる。あとは番付が上の人間を、誰が倒してくれるか、大関の二人には酷なことかもしれないが、彼らを倒すことで土俵は大いに盛り上がる。

最後に新横綱の照ノ富士についてであるが、とても「新横綱」とは思えない風格が漂っている。今回も死角が見当たらない。白鵬が休場したことで、優勝候補の筆頭に挙げられている。もちろんその通りではあるが、先場所最後の最後で優勝を奪われた因縁の相手が出ないことで、モチベーションが下がり、集中力が切れないか心配だ。場合によっては怪我につながらないとも限らない。いづれにせよ、今の照ノ富士は、周りに敵はおらず、全ては己次第なのだ。

ということでいよいよ初日です。オリンピックを経ての本場所開催であるが、日本人選手の活躍は力士の皆んなは見ていただろうか?刺激を受けた人もいたはず、そういったものを土俵にぶつけ、いい意味で予想を裏切る活躍を期待したい。千秋楽まで注目していこう!

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