名古屋場所四日目を振り返る。

 大相撲は15日間を大きく三つに分ける場合、「序盤(初日〜五日目)」「中盤(六日目〜十日目)」「終盤(十一日目〜千秋楽)」となる。その他の分け方となると大きく二つに分かれる「前半(初日〜八日目)」「後半(九日目〜千秋楽)」というのもある。まだ序盤戦も終わってないのに、早くも優勝争いの行方が見え始めたのは私だけでしょうか?横綱白鵬と大関照ノ富士には完全に追い風が吹き始めていますね。昨日の二人の相撲がそれを如実に表してました。

 まずは横綱ですが、隆の勝相手に辛勝しました。照ノ富士戦に続いてこの日も動きのいい隆の勝、横綱に対しても組めば不利になるということで、距離を取って休まず動き回ります。そして途中一瞬でしたが後ろに向かせる展開が・・・ここがチャンス!と我々見る側からしたらいけー!って思いますが、プレイヤー本人はそうはいかないのが事実です。ここがまた人間の弱いところというのか、仕方ないところなのですが、そういった大チャンスを目の前にすると逆にびっくりしてパニックになるのです。わかりやすいかどうかは微妙ですが、釣りに行って入れ食い状態の小魚釣ってる時にまさかの鯛が引っ掛かってきたという場面をちょっと想像してみて下さい。私の場合でしたら、間違いなく冷静さを失い慌てて釣り上げようとして最終的に失敗します。下位の力士ならともかく、横綱が背中を向けるなんてことはまず考えられないので、あの瞬間から隆の勝のペースが乱れたのではないか?私はそう思います。そしてキャリアの長い横綱はそんな相手を察知していた、肌感覚で相手の力の入れ具合がわかるものです。逃げて逃げて逃げ回って、最後突き落としを決めました。一瞬の気の迷いにより、隆の勝は負けてしまったのです。間違いなく善戦です、だけど善戦で終わるのはとうの昔にこと。今世代交代が急務ならば、そんな悠長なこと言ってられんばい!攻めこまれながら勝った横綱はさらに自信をつけ、これからますます乗ってくるだろうから。早くストッパーをかけないと周りが先に衰えていっちゃうよ。

 ふふふ、私はある妄想をしながら相撲観戦しております。主人公(白鵬)が、巨大組織(相撲協会)に狙われ、次々と刺客(他の力士)が差し向けられる。その都度手強い相手になってくるが、なんとか危機を乗り越え、やがて大きな存在となっていくヒーローもののストーリー!そんな物語を見ている我々一般大衆はますます主人公のファンになっていく・・・。おかしいですね、妄想もこのくらいにしておきますか(笑)。

 今度は照ノ富士であります、こちらも危なかったですね。大栄翔は横綱戦で力を出すことなく負けて知ったことでこの一番でその鬱憤を晴らそうと、なんとしてでも勝ってやるんだという気迫を込めて向かってきました。それもただガムシャラでなく、距離を離し、横からも攻め、押すのではなく回転良く突っ張るという明確な作戦を立てています。隆の勝戦を見て学んだのでしょうか?もはや押しも照ノ富士からすれば引っ張り込むことのできる態勢になるのです。突っ張りは手足動かし続けるので捕まえるのが一番難しいのでしょう、なかなか思い通りにいかない照ノ富士は焦りますが、最後は勝って締めてましたね。

 結局二人は、自身が慌てる以上に対戦相手を慌てさせることに成功していますね。対戦相手はどんなにいい格好になっても、落ち着いて捌けなくなってしまっている。それはやはり絶対的な強さとキャリアを持っているから。土俵上で見合っただけでも緊張して心拍数が上がる。だからバタバタしてしまう。ここは一つ、これから対戦する力士にはあえて攻めない、スローの相撲を取ってみてはと言いたい。既存の前に出る、早く攻めるというセオリーを覆してみて欲しいのだ。もしそんなことしたら親方に怒られる?大丈夫、命まで取られないし、勝てばそっちの評価の方が高くなる。そもそも親方のために相撲をとっているわけではないんだから、危険な反則技じゃなければいいと思う。私が現役だったら絶対できないことだけれど・・・。

 でも強者というのは本当偉大な存在であると気づかされる。二人と対戦する相手はしっかりと敗戦から学び、次に生かしている。大栄翔がそうだった。そうやってどの世界も連綿と引き継がれてるのだなぁと思った。有名なると何かと窮屈になって大変だが、その世界の次世代を成長させていく使命を仰せつかったという意識を持てば、やはり日下開山・横綱の地位に浪漫を馳せて上り詰めて欲しい。伝統文化の継承者・伝承者、かっこいいです。自分もそのくらい志が高ければと今更ながら思います。

 最後になりますが、豊昇龍。怪我してないみたいでよかった。しかしこんだけ期待を込めていたのに、昨日まで「昇」の字を「将」と間違っていた。恥ずかしいし申し訳ない。だって弓取りに将豊龍っているでしょ?え?また間違えてる?今度は「龍」が「竜」か・・・。間違いだらけですみません(汗)。

 五日目も楽しみです。

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