私から見た横綱白鵬

ブログもだいぶご無沙汰してしまいました(汗)。皆様に忘れられてしまったのではないかと不安でたまりません、実は私、最近引っ越しを致しまして、その作業で忙しく、ブログが滞ってしまっておりました。しばらく都落ちしておりましたが、このたび久しぶりに江戸に戻ってこれました。東京に戻ってきて感じたことはやはり便利で過ごしやすいということ。頻繁に遠くから東京へ行き来していたものですから、余計にそう感じます。東京は人混みが凄くて騒がしいイメージはありますが、探すとそうで無い場所もらまだまだあるんですよね。今度の場所はとても素敵なところなので、これからの生活が楽しみです。

さて、私がしばらくブログを休んでいる間に九月場所も終わってしまい、そして横綱白鵬も引退を表明しました。これで1つの時代が終わりをましたね。私と横綱の接点はほとんどなかったのですけれども、横綱の行動一挙手一投足はとても印象深いことばかりなので、たくさんの思いだすことがあります。その辺を少し振り返ってみたいと思います。

私が入門したのは2004年平成16年の3月場所でした、その時白鵬関は十両2場所目でした。日馬富士関がこの時新十両でしたね。稀勢の里関が翌場所新十両、後に横綱になる3人が立て続けに昇進したいった時期で、私はとんでもない世界へ飛び込んでしまったなと今振り返ると思いますね(笑)

白鵬関が新十両の時はそんなに注目されてなかったように思います。なぜならもう1人の新十両がロシア出身初の関取露鵬がおり、いきなり新十両優勝を飾ったからです。断然そちらの方が注目度が高かった感じでした。しかし、そんなことはすぐに覆します。白鵬関はこの場所で十両優勝を果たし、一気に新入幕を決めました。そして新入幕でもいきなり12勝3敗で敢闘賞を受賞、その後は皆さんも周知の通り、トントン拍子で出世していきます。この時の勢いで、白鵬関は怖いもの知らずの雰囲気を醸し出してましたね。支度部屋でも振る舞いは豪快そのもの、風を切ったように歩いておりました。準備運動も付け人の腰にバスタオルを巻かせ、相撲を取るようなウォーミングアップを繰り返し、たっぷりと汗をかいておりました。しかしあれは準備運動ではなく、ほぼほぼ遊びに近い感じでした。動きに逆らえない付け人はされるがまま。吹っ飛ばされたり、転がされたり、汗だくになってました。支度部屋はそんなに広くない限りあるスペースです、互いに譲り合ってスペースを確保するのが暗黙のルールなのに、白鵬関はそんな事お構いなし。その行動一つ一つが相撲界の中心に君臨しておりました。やはりそのくらい図太い精神力がないと横綱にはなれないのだなと感じたものです。しかし横綱に昇進した白鵬関は少し様子が変わりました、やはり早く出世すれば妬む人間も出てくるのが世の常。それまでの振る舞いではいけないと感じたのでしょうかる横綱は少しずつ落ち着きオーラも現れ始めました。おそらく横綱の品格とはどういうことなのだろうと自分なりに勉強した思います。この頃は特に先人から学ぼうという姿勢が垣間見れました。双葉山関の立ち振る舞いや動き、亡くなった大鵬親方のアドバイスに熱心に聞き入っておりました。日本人以上に日本のこと、相撲のことを考えておりました。

数々の大記録を打ち立てた事はもうここで話す必要ないですが、それ以上に人としてどうあるべきかということを白鵬関は常に考えていたと思います。我々力士には分け隔てなく誰とでも平等に接し、大相撲界全体のことを考えておりました。そんな横綱だからこそ他の力士たちは相撲としても人としてもこの人には敵わないなぁと観念してしまうような心理になってしまったのではないでしょうか?恐怖で押さえつけるのとは違い、まるで仏様のような後光が指してるような雰囲気でしたね。

現役最後のほうは相撲の取り口に批判も集まり、それについても悩んでいたかもしれません。けれども自分の道を全うしよう腹を決めていたように思います。迷いなく突き進んだからこそ、最後の場所で全勝優勝するという有終の美を飾れたのかと思います。名選手は名監督にはなれないなんて世間一般で言われておりますが、白鵬関はすでに自身の内弟子4人も関取まで上げています。現役時代からそういった指導者としての実績も上げているわけですから、親方として部屋を持った時、入門志願者がたくさん集まるのではないでしょうか?

横綱だからとか、有名だからと、言ってふんぞりかえることもなく、積極的にスカウト活動し人脈もたくさん作り上げたことで、よい新弟子を集めるネットワークは築きあげました。そして、子供たちに活躍の場を与えるべく白鵬杯という大会を開催し続けたことで、入門したいと思う子供たちはこれからもたくさん出てくるでしょう。日本橋に部屋を建てるという噂もたってますが、現役時代同様これから親方としての白鵬関もますます目が離せません。

あくまでもこれは予想ですが白鵬関がキール相撲部屋がいずれ角界を引っ張る一大勢力の部屋になるのではないかと思います。しかし、そのくらいでないと、スターが一向に現れない今の相撲界の活性化には繋がりません。

私も新入幕の時お祝いということでぶつかり稽古でたっぷり胸出していただいたことがあります。とにかく体が柔らかく、押しにくかったです。力が吸収されるような感覚でした。どの対戦相手もやりにくかったんだろうなと思います。持って生まれた素質と猛稽古で培った体は伊達に優勝回数一位の記録を作っておりませんね。これからが親方として大変になるかと思いますが、まずは現役生活お疲れ様でしたと言いたいです。

私から見た横綱白鵬」への3件のフィードバック

  1. HenG 返信

    白鵬は、横綱でありながら張り手や肘打ちを多用していましたが、白鵬に対し張り手や肘打ちの仕返しをした関取を見た記憶はありません。現役最後の取組みで照ノ富士が張り手を少し見舞ったくらいです。以前は、貴闘力と大乃国の張り手試合などがありました。何か白鵬には張り手や肘打ちの仕返しができない理由でもあったのですか?他の関取には白鵬に張り手を見舞う勇気がなかったのですか?不思議でなりません。おわかりでしたらお教えください。

    • ooiwato-master 投稿者返信

      HenG様、コメントいただき有り難うございます。返信が遅くなり大変申し訳ありません。白鵬に対し張り手やカチ上げの仕返しをする関取がいないのはなぜかということでしたが、まず一つ目の理由は、良い意味でも悪い意味でも日本人が真面目であるからです。横綱は相撲界では一番偉い人、その目上の立場の人間に張り手などは失礼であるというのが暗黙のルールになっております。だからやられてもやり返さない、やり返せないのです。本場所だけではありません、稽古場でも基本張り手などは禁止されています。下の者が上のものに対してはもちろんのこと、上の者であっても使っちゃいけない風潮があります。張り手などはあくまで奇襲戦法なので、日々の稽古が鍛錬を目的とするのであれば、地力が身につかないので禁止というのも一理あるかもしれません。しかし、張り手・カチ上げも訓練しなければ使えません。一つタイミングを外せば、こちらが押し出されてしまう大変リスクのある攻め手です。ダメダメ言われたから使わないのでは、いつまでたっても覚えることはできません。モンゴルの力士は、そのへんの抜け目がありません。反則でない以上例え怒られたとしても使います、このへんの民族性のしたたかさの差が出ているのではないでしょうか?
       二つ目は、横綱を倒してやるという気概の人間がいないということです。横綱に勝つということは夢であります、しかし勝つということはそれは大変な覚悟が伴います。それは、巡業などで、かわいがりと呼ばれる報復ともとれる荒稽古が課せられるからです。かつての千代の富士も負けた相手先の相撲部屋へ出向き、徹底的にしごき恐怖心を植え付けたそうです。朝青龍や白鵬も同じようなことをしましたが、彼らはモンゴル相撲を応用したような荒技で怪我をさせることがしばしばありました。しごかれる上に怪我をするかもしれない、例え結果的に負けたとしても、張り手なんかしたらどんな目に合わされるか・・・。かつての貴闘力やその所属していた藤島部屋は、部屋一丸となって上位を倒してやるんだとういう気合いが違っていました。一人ではなく、全体でそういった雰囲気を持っていれば、ガンガンぶつかっていく雰囲気になるかと思うのですが、なかなか今はそんな人間はいないですね。
       以上大きくこの二つの理由から、やり返す人間がいないのではないかということでした。

      またなにかわからないことがございましたら、質問コメント下さると幸いです。よろしくお願い致します。

  2. HenG 返信

    大岩戸様、非常に丁寧な回答をいただき感激しております。今からでもファンになりそうです二つの理由を述べておられますが、二番目の理由は想像しておりました。場所でも、稽古場でも伸び盛りの若手がモンゴル力士にかわいがられ、怪我をさせられたのを見てきましたので。しかし、一番目の理由は、実際に経験された貴殿の説明を読み、なるほどと思いました。土俵の上では上も下も平等だと思っていましたが、そう言う暗黙のルールがあるのですね。照ノ富士は以前のモンゴル3横綱とは違うので、今後張り手やカチ上げは少なくなるでしょう。
    少し個人的なことになりますが、貴殿が学生横綱になられた時のことを良く覚えています。当時の近大は全盛期でしたね。団体戦は優勝するし、個人戦の決勝の相手は同じ近大の伊藤選手でしたね。伊藤選手は準決勝で左肩を負傷し、決勝では殆んど相撲を取ることができませんでした。卒業後、実業団相撲でも彼を見ませんでしたが、どうしておられるんでしようね。

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