自伝その5

私の小学校は前年度にその地区の大会で優勝している、いわばディフェンディングチャンピオンの学校であった。学区内に住んでらっしゃる相撲経験者の方が指導者となり、加えてスポーツに熱心な学校の先生も参加して厳しい稽古を繰り広げていた。当然私も道場に通っているということが知られていたので必然的に学校の相撲クラブにも入った。試合の1ヵ月ぐらい前になると朝7時から強化練習が行われる。学校での稽古、そして道場での稽古のおかげで私は強くなることができた。ちなみに学校での稽古を思い出すとそれは凄まじいものであった。四股は汗をかくまで、すり足は体育館2往復、そして雑巾がけ2往復。その後みんなで相撲を取る申し合い稽古、そして仕上げのぶつかり稽古だった。このぶつかり稽古で、時々、名物「ダイハード」というものがあった。当時映画ダイハードと言う作品が有名であったが、それにちなんで名付けられたのであろう。本来の意味はなかなか死なないしぶとい奴らしい。が私は英語がわからなかったのでダイハードはめちゃくちゃきついと言う意味だと思ってしまった。本当にその通りきついぶつかり稽古だった。普通のぶつかり稽古は土俵の中で何往復も相手を押す稽古であるが、「ダイハード」は体育館2往復だった。しかも押してる途中に転がされて倒れたら胸を出してくれる先生は、どんどんスタート地点に戻って行こうとするので休んで呼吸を整えている暇は無く、決して手を抜くことのできないほんとにきつい稽古だった。その分とても自信になり試合が近づくにつれワクワクしてきたのも事実。そしていよいよ市の大会が始まる。

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