自伝その六

初めてとなる公式戦がいよいよ本番を迎えた。地元の市の大会である、この大会は個人戦で優勝すると国技館で行われるわんぱく相撲全国大会への出場権がもらえた。私は4年生の部の1回戦第1試合に登場した、つまりはこの大会のオープニングゲームである。とても緊張したが対戦相手は自分より体格の小さい子であった。練習どおり思いっきり当たって一気に押していく、あっという間に勝負を決めたが、勢い余ったのか相手を押し出すと同時に自分の下も出たような感じがした。会場がざわめく、なんだろうと思い主審(大相撲でいえば行司)の方を見たら、相手のほうに手が上がっていた。物言いもつかない、つまり私はデビュー戦勇み足で負けてしまったのだ。わずか1秒ちょっとの時間で、全国大会への切符はなくなってしまった。早々と自分の出番が終わり、暇を持て余していた。チームメイトたちはそこそこ勝っていたが入賞者はゼロ、団体戦では優勝してても個人戦では難しかったようだ。昼休み、指導者の先生が叱責する。当然私も怒られるだろうと思っていた。「皆マワシをとって投げることしか考えていない、なぜもっと前に出る相撲を取らないんだ、上林のような相撲を取らなきゃダメだ」と言っていた。負けて怒られるとばかり思っていたが、いい相撲の手本として私の相撲を例に挙げてくれた、それが少し誇らしくも感じた。気を取り直して午後からの団体戦、うちの学校からはA、Bチームが出たが、Bチームが優勝果たし2連覇を達成した。私はAチームで優勝できなかったが私自身は先鋒として全勝、とても満足できた。そして学校として優勝できた嬉しさが余計相撲に傾倒させていった。

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