自伝17 〜佐渡ケ嶽部屋の場所中の朝稽古〜

前回までのあらすじ

先代佐渡ケ嶽親方にスカウトされ、東京見物に来なさいということで父親と一緒に東京に向かい、豪勢なご馳走を食べさせてもらい、その夜に佐渡ケ嶽部屋に泊まる・・。

長距離移動で疲れ、すぐに寝たのに何故か夜中に目が覚めてしまった。慣れない布団のせいなのか、相撲部屋に泊まってるという興奮が冷めないからなのか、結局寝不足で朝を迎えてしまっていた。本場所中なのに、朝5時くらいから力士は稽古していた。7時くらいに稽古場に行く、親方は日課の散歩に出掛けていた。関取衆が稽古を見守っている、現粂川親方の琴稲妻関は背中を蚊にかまれ、必死に掻いている。現佐渡ケ嶽親方は当日の対戦相手が横綱貴乃花なのに、落ち着いている。琴龍関はマワシにハサミを入れたまま幕下と相撲を取っていた、琴錦関はF1相撲と言われるくらいスピーディーな動きが身上であるが、準備運動全てが素早く軽い身のこなしを見せる。何より、皆体がでかくカッコよかった。瓶付油の匂いが心地よい、ますます大相撲に魅力を感じた。

 その後は部屋の上の階を見学させていただいた。案内してくれたのは同じ山形出身の人だったが、そこで異変に気付く。足が青あざだらけだったのだ。稽古であんな風にはならない、多分やらかしてシバかれたんだろうなぁと思った。憧れから一瞬にして現実に戻された瞬間だった。厳しい世界だもん、やっぱりそうだよな、俺にはまだ早いなと思った。

 チャンコをご馳走になる、めちゃうまい!うまいけど、後ろにお弟子さんが立って給仕されるのが苦痛以外の何者でもない。落ち着いて食べれないじゃん、ゆっくり味わいたいのにジーッと見られてたら遠慮してしまいますよ。結局軽く食べてご馳走様でした。

 そして、東京観光、からの国技館での本場所観戦へと向かうのです。

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