なる可能性が近付いてきた。昨日の1番の翠富士戦がヤマだったと思う、彼らは同学年、高校時代に対戦したライバルでもある。例え相手が大関だろうと関係ない、同い年である以上遠慮する理由などないのだ。相撲内容も期待を裏切らない熱のこもった激しい戦いとなった。それにしても翠富士のポテンシャルはまたまだ計り知れないものがある。この力士は武器を二つ持っている、一つは「体が小さい」ということ。これは過去に石浦や炎鵬がいたが、これだけでは足りず、番付は下降していった。宇良なんか1番楽しみな存在だったのに、肥満化の仲間入りを果たしてしまい、普通の幕内力士となってしまった。翠富士はもう一つ武器を持っている、それは「残り腰」だ。スタミナもなく、早い勝負しかできなくなってしまった相撲界で残り腰が強い力士がいると、嫌でたまらない。早く勝負をつけたいのに残られることによって息も絶え絶え、体のバランスを崩し、逆転を食らってしまう。貴景勝の出足をあの小さな体で踏ん張ったのは凄い、四股は大して踏んでないかもしれないが、稽古相手が豊富な部屋にいたことが強靱な下半身を作り上げたのだろう。
ここで翠富士にお願いがある、お願いだから太らないでください。小さい力士は、倍体と頭を使うし大変なのは重々承知してるのだが、小よく大を制すことは大相撲の1番の醍醐味である。小兵の最後の砦であるから、どうか今の体型のまま、あのキレのある肩透かしを見せてほしいものだ。
ヤマ場を制した貴景勝は、自信を得たと思うし、勝ち名乗りにも風格さえ漂っていたように思う。いよいよ綱に近付いてきた証拠なのか、それとも一大関だからただ際立って見えるだけなのだろうか？前場所優勝に準ずる成績を残したとはいえ、平幕に優勝され綱取りの雰囲気などなかったのに、年が明けた途端に綱取り綱取りと取り沙汰されるようになった。相撲協会マジック、番付の充実と話題性を作るための策だろう。基準をグッと下げたのだから過去に苦労して上がった人からするとふざけるなと思うかもしれないが、何でもチャンスには乗っかるべきだろう。貴景勝は今最大のチャンスが訪れた。
仮に横綱昇進を決めたとして話を進めるが、そうなるとまた大変なことになると思う。忘れもしない、大関昇進パーティーでご祝儀を親父さんがガードマン引き連れ持ち帰ったシーンだ。世間一般からすれば、貴景勝のお祝いのご祝儀なのだからその身内が持ち帰るのは至極当たり前のことなのだが・・・
私は恐怖すら覚えた、相撲界からすれば御法度中の御法度である。昇進パーティー、結婚式、お祝いごとはほとんど師匠の懐に持っていかれるのが相撲界の常識。その禁を破ったのだから、こりゃ大変だと思ったら、特に何のお咎めもなかった。つまりは、相撲界の常識は世間の非常識であると一応は認識しているみたいだ。ガードマンまでつけられ堂々とされたら、閉ざされた世界の人間は何もできない。やはり相撲界も世間体には勝てない。
ご祝儀を取らない親方もいる、ごくごく少ないが。当たり前のことなのに、それが漢らしいなんて言われるのだから冷静に考えると不思議な世界だな。だから、貴景勝が横綱になったらその辺はどうなるのか気になる。同じことが繰り返されてもやはり黙認されるのか、相撲内容を気にしたいところだがそっちの方が気になってしょうがない。
後半になれば役力士達との直接対決が控える、毎場所のように対戦してるから相手の取り口などは体で覚えてるだろうが、疲労による集中力が切れないかどうかにかかっているだろう。昨日長い相撲取ったから今日疲れが残ってないか心配だが・・