元の相撲界に戻った感がある。

 大相撲名古屋場所は九日目を終えました。いちいち同じ結果を報告するのもマンネリ化してきて、虚しささえ感じ始めた今日この頃でございます。いつも通り、横綱と照ノ富士は安泰で九連勝を飾りました。中盤戦もいよいよ終わりです、ここから果たして波乱はありますでしょうか?

 場所前の注目点は、横綱白鵬の進退問題でした。絶対的な存在がいよいよ土俵を去るかもしれない、今回で見納めかもしれない寂しさが手伝って横綱まだやめないでという空気が日本中に浸透していました。初日から勝利しつつも、動きにぎこちなく危なっかしい、いつ黒星を喫するかというハラハラな展開が人々の興味を上げていたのは間違いない。巨星が去るかもしれないスリル満点なストーリーが名古屋場所最大の魅力であったのだが・・・。

 数々の逆境を乗り越えてきたが流石に今度はという大方の予想を見事に覆した横綱は、さらなる飛躍を果たし、パワーアップした。某解説者(たびたびこのブログで出てくるワードである)がこれからの白鵬の取組は、毎回進退が懸かると述べていたが、その言葉もただの遠吠えにしか聞こえない。世の中のありとあらゆる横綱へのマイナス的発言は、もはや説得力もなくなってしまった。長きに渡り土俵に君臨してきた白鵬を中心としたモンゴル人力士の勢力図は、ほぼほぼ元通りになってきた。一時期、優勝力士の顔ぶれが変わり、新しい時代へ突入したかに見えた相撲界であるが、変わり切れなかった。

 さて全勝の二人の今後の対戦が予想される力士の顔ぶれを上げてみよう、十日目の割(取組)はすでに出ているから、終盤戦の最後千秋楽の行われる直接対決を除く4人を、予想・リクエストしたい。白鵬は普通の番付順からいくと、若隆景・御嶽海・髙安・正代と対戦するであろう。この中で私は若隆景戦が一番見たい、なぜなら単純明解であるが初顔(初対戦)であるから。未知数の世界、横綱にとってはもっともやりにくい相手になるだろう。ましてや、相撲内容を見る限り、若隆景が決して不調とも言い切れないところもあるからだ。このカードは必ず組んでほしい、次に見たいのは・・・この3人ではないな、ここで割を崩し(イレギュラーで下位の好調な力士を対戦させる)、豊昇龍・霧馬山・玉鷲を当ててほしい。文字に起こしてあらためて実感させられる、モンゴル時代かな・・。先述の三人が決して弱いわけではないが、どっちが盛り上がるかといえば、後述の三名でしょう。ここまできたらそのくらい大胆でもいいような気がするが・・・。

 そしてもう一人の全勝の照ノ富士ですが、明生・御嶽海・髙安・正代が予想されます。こちらは、好カードになり得るであろう可能性を秘めた取り組みが二番ございます。同期生の明生と、苦手の髙安です。同期生だから目一杯ぶつかってくるだろうし、苦手は鬼門になります。この二番は間違いなく組まれるでしょう、ここを乗り越えて照ノ富士は天下の日下開山、横綱となるのです。あと二番は、豊昇龍・霧馬山といった感じでしょうか?御嶽海はともかく、正代関は組まれなくてもいいです。先日ABEMAの解説いった時に場所前インタビュー見て、角番ならないようにというようなことをおっしゃってました。熊本の皆さんに元気をという方が角番というのは・・・。これ以上は顔じゃないので(言う立場ではないので)申し上げません。やはり全体的にみてもドル箱カードはモンゴル人対決という結論に至りましてござりまする。

  全勝の二人に話題は持ち去られているが、豊昇龍の活躍がすごい。初日から注目していたと思ったらまさかの隠岐の海に苦杯を舐め、怪我までしてしまったのではないかと心配していたのだが・・・。取り越し苦労で終わって良かった!とにかく強い、負けたのも若さゆえの勢いが余ってしまったような相撲だった。近い将来、彼の時代がくるような気がしてならない。叔父の朝青龍から、白鵬の時代へ、そして豊昇龍が受け継ぐ・・・。かつての貴ノ花→千代の富士→貴乃花という流れに似てはないだろうか??きちんとした後継者が現れれば、横綱だって綺麗に身を引くはず。その時はもしかしたらそんなに遠くはないのでは??

 さてさて、いろんなところで今の力士は稽古が足りないと言われています。結果的には否めません、しかしそのような事態に導いてしまったのは、力士だけではないことは間違いなく言えます。結果だけ勝っている力士が称賛され、イケメン力士などという相撲の実力と関係ないところで価値を決めてませんか?普段の稽古において、たっぷりできる環境を作ってやってほしい。筋トレなんか必要ない、できなくなるくらいみっちりやって、うまい飯をがっつき、たっぷり休息してで十分!コロナだからこそ、しっかり力士人一人を指導できるはず。時間を十分にとって、四股をいつもより3倍するとか、いつもできないことをしないと。

 出る杭は打たれるのだろうな、何を隠そうこの私自身言いたいことの半分も言ってない。けれども、そのうち言うだろうな。さて残りわずかな名古屋場所楽しみましょう!!

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