翔猿はもっと称賛されるべき

 大相撲名古屋場所は八日目も終わり、ついに折り返した。昨日は日曜日だったため所用で相撲が見れなかったのであるが(あまり理由になってない)、横綱も大関照ノ富士も全勝をキープして勝ち越しを決めた。このブログも、昨日はおやすみしてたので七日目を振り返りますか・・・。というか振り返らないと気がおさまらない、あの白鵬ー翔猿戦!私は感動しました。

 前々からブログなどで発信してましたが、正々堂々とまっすぐ当たって攻めたところで、そのパターン化された動きでは横綱の思うツボ、あえて攻めない動きを展開してビックリさせるべきだと言いました。そして翔猿は想いが通じたかのように見事攻めない相撲を実践してくれました!Youtubeでも生解説してましたが、思わず声を荒げて興奮してました。

 っとその前に、なぜ最初の立ち合い止めたの?伊之助親方・・・。あれで作戦バレちゃったじゃない!両者手をついて呼吸を合わせて、ハッケヨイ!のあとで呼吸をずらしていたから何の問題もない、本当に残念である。しかしあの日の一連のイレギュラーな事態は、横綱は察知していたのだろうか?時間いっぱいまでの仕切りの時にいつも以上に汗をかいていた、そして最後の塩を取りに行く時も、今場所はしっかり汗を拭いているのに、あの日だけはちゃんと拭かなかったというか拭けなかった、心がそれどころではなかったという感じだった。本人さえ気付かないところで、体の本能的な部分は既に不測の事態になることを予知していたのかもしれない。自由な「たられば」話をさせてもらえば、行司待ったがなかったら翔猿は勝っていただろう。横綱の追い風は、行司さえも味方につけてしまったのだ。

 さあそして相撲の内容であるが、かなり仕切り線後方に仕切る翔猿、警戒していつもより遅く手をつく白鵬。そして最初の待ったの後の二回目も同じ様相、さあ両者たった!横綱は自分の間合いのテリトリーに誘い込むため、すかさず翔猿に近付く。そして突っ張る、この突っ張りは勝負を決めるためではなく、牽制するため。相手を揺さぶり、前に出てこさせるための陽動作戦だ。しかし翔猿はそれに乗ってこない、叩かれてしまうからだ。回り込む翔猿、横綱今度はまわしを取ろうとするが取れない、動きが止まる。攻めてきてほしい横綱、しかし来ない翔猿。対して翔猿も実は攻めてきて欲しかった、相手の攻め手を封じたのまでは良かったが、こちらの攻め手もない状態になってしまっていた。お互い手を動かしたり、頭を付け合ったりして牽制しあう。こうしてる間にも翔猿はスタミナが少しづつ切れてくる、相撲の取組平均時間をかなりオーバーしている。見合ってる間も体は常に力を出してるから、体力は確実に消耗する!

 こうなると経験の差が出る、以前横綱は貴景勝戦でもこの良いな展開になったことがある。そしてもう一つは祖国のモンゴル相撲にスタイルが少し似ていた点だ。息が上がった相手を見逃さず、ガッチリ右四つに組んで上手投げで勝負あった。結果的に翔猿は負けた、しかしながら攻めないスタイルで挑戦したということにとても大きな価値がある!今後対戦する力士たちに大きなヒントを与えた、わずかな光が見えたと思う。そして多くの批判が予想されるかもしれない中で、自分の考えを貫いた。実際某相撲解説者は、つまらないだ、あんなのは相撲ではないだとコラムに書いていた。え?じゃあその方は遥か昔のまだ映像もない時代の相撲見たことあるのかい?私は双葉山時代の映像で、似たような相撲見たことありますよ・・・。お客さんもつまらなかっただろうなんて、自分基準で万民が皆同じことを思ってると考えている事自体私は疑問に思う。お客さんはあのスリルある展開に盛り上がっていた、拍手聞いたらわかるやん。みんな同じ攻め手で勝てないから、何とか攻略しようとしたことをもう少し評価してみたらと思う。こういった風潮が根強く相撲界には残っていいるから、伸び盛りのホープは押さえつけられ、やがて年老いていき引退する。一体これをあとどのくらい繰り返すのだろう???

 横綱だって、こういった批判は嵐のように浴びてきた。立ち合いのカチ上げ、張り差し、猫だましまでやってのけた。品格を問うのなら勝ち負けに関係なく批判は続けるべき。ところが勝ち出すと、それまでの批判が嘘のように消え去り、褒めちぎる。そうなることは横綱本人が一番分かっているだろうから、批判なんてどこ吹く風だろう。もはや、世論そのものが白鵬の手の内で転がされている、そんな気がしてきた。

 今回のブログは、白鵬ー翔猿戦のことに終始話題がいってしまった。さあ、いよいよ後半戦です。一体誰が、白鵬・照ノ富士の全勝にストップをかけるのだろう、翔猿の決起に賛同し自分もというチャレンジャーが現れるのか?それとも、意味のもたない外野の小言に気を取られ、クソ真面目に前に出る相撲に徹底するのか・・・。残りも目が離せません!

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