自伝13

相撲が本当につまらなくなってきた中学時代、柔道部に在籍だけしていた私は少しずつ柔道に興味を持ち始めた。学校の規則だったか忘れたが、在籍してる以上は、部活動に見学だけでもいいからとたまに参加しなければいけない。その練習風景を見てるだけで、体を動かしたくてうずうずしてた。中学一年生の冬くらいになり、相撲の大会も終わった頃を見計らって柔道の練習をついに始める。まず、受け身から始まり、寝技・立技と次々に取り組んでいく。相撲は滑って手をついただけでも負けだけど、柔道は膝をついたって負けにはならない。柔道家の皆様に怒られるかもしれないが、相撲より簡単だなと思った。そして、乱取りというスパーリングのような練習も行ったが、100kgの私はまず投げられない。なんか楽しい、勝てるから楽しい。不純な理由で柔道にのめり込み、相撲の稽古はサボるようになった。罪悪感はあったが、すぐ身近に全国チャンピオンがいて何かと比較されつまらない思いをさせられてきた境遇を恨み、やってられるかと開き直っていたのも確かだ。

 若気の至というか、我ながら今こうして文章を書いていると恥ずかしい。相撲という競技に出会い、たくさんの体験をさせてもらったのに、それを今度は憎み、匙を投げてしまったのだから。しかし、今思っても仕方ないことだと思う。誰だって面白くないはずだ。実際道場に通う人間は、2人しかいなかった。みんな辞めていく。やっぱりつまんなかったんだと思う。

 そういう実体験を過去に経験した人がいれば、何か言葉をもらえたのだろうが、当時は全くいなかった。むしろ私が根性ない、全国チャンピオンとはいえ、学年一つ下に負けて悔しくないのかと言われ続けた。これイジメだよな(笑)

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