学生相撲出身力士はなぜ大成しないと言われるのか?

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 学生相撲出身力士で横綱まで昇進したのは輪島大士ただ1人である。大関まで昇進した力士は数人いるがいずれも優勝回数も重ねられずに引退してしまっている。その原因はなぜであろうか?いろんな説が出ているが、私なりの考えを話したいと思う。

 学生相撲はとにかく勝たなければいけない、大学の看板を背負い、学生相撲最大の目標である全国学生選手権、すなわちインカレの団体優勝のためにとにかく勝ちにこだわり研究する。大相撲みたいに数日間のうちの何番かを勝てば優勝とかというシステムではなく、ほとんどがトーナメント戦だ。ほんの一瞬の判断ミスでさえ負けになり、それまで長い間積み上げてきたものが無駄に終わってしまう可能性もあるのだ。勝負に対してはとてもシビアで、勝つための鍛錬はもちろんのこと、稽古のスケジュールや管理体調、日常生活から、あらゆる面で勝負にかけている世界なのだ。

 だから、大学相撲部監督の指導力はものすごくレベルが高い。選手をいかにして強くして勝てるよう育てあげるか常に考えている。高校まで無名だった選手は大学で急成長を遂げるということはよくある話である。

 大学で実績を積み、自信をつけたところで大相撲界に入門するわけだが、大学までの非常にクオリティーの高い中身の濃いハイレベルな指導方法はまず見当たらない。ただひたすらクタクタになるまで相撲を取らされ、ぶつかり稽古でしごかれるだけ。せっかく良い指導を受けてきたのに、時代と逆行した遅れた相撲の指導を受けることになるのだ。これを世間一般でわかりやすく説明するとすれば、数学の印因数分解まで覚えた人が、また小学校1年生の算数ドリルをこれでもかというくらい永遠とさせられるようなものだ。これでどうやってモチベーションを保てば良いのだろうと思う。相撲の最高峰機関である大相撲の世界に胸を躍らせ入り、己を磨こうとしても現実はレベルの低い指導を強いられ、レベル向上に大変苦労するのだ。

 横綱輪島関は天才と謳われ、あまり稽古せずとも強かったという噂を聞いたことがある。確かに下手投げでは大成できないと言われていた大相撲界で「黄金の左」と言わしめた左下手を取っての相撲で優勝14回を重ね、成功を収めたのは並の人間では不可能であり、天才でなければ成し得なかっただろう。

 しかし、それだけではない。彼を取り巻く環境も大きく作用している。輪島は日大相撲部の出身、そして大相撲で入門した花籠部屋は当時日大相撲部の隣に会った。無論当時から大学相撲部と部屋は交流があり、もはや気心の知れた環境であったのだ。なので、花籠部屋ではマイペースで稽古できたはずだし、大学まで身に付けた技術を無理に矯正して抑えつける指導ではなく、得意の型を発展させる指導が功を奏したのだろう。でなければわずか4年弱で横綱に昇進できるわけがない。これがもしよその相撲部屋に入門していたら、潰されていただろう。

 今でこそ少なくなったものの、昔は学生相撲の出身の人間は目の敵にされた。中学卒業してすぐ入門した、いわゆる叩き上げの力士達からすれば面白くない存在であるからだ。稽古場でもこれでもかとばかりにしごきを強要し、有望な将来を潰そうとしたものだ。

 現在でも親方銃の中には学生相撲を否定する人間もまだ存在している、そんな気持ちを持った指導者がどうやって育てることができるだろうか??特に学生は年齢も22歳で入門するから若い中卒の子と比べても、力士としての寿命は少なくなるので、1日でも早く育て上げて番付上位に行くようにしていくのが努めであろう。

 横綱輪島の他に過去大関に昇進した力士の顔ぶれを見てみると、豊山関や朝潮関、武双山関や出島関、琴光喜関など学生相撲界でも群を抜いていた人たちばかりである。つまり大相撲界でさらに飛躍的にレベルアップして大関に昇進するというのはあまり考えられず輪島や大関昇進した力士達は元々実力者であって、その貯金で昇進しているのが現実なのだ。

 例外に朝乃山がいた。彼は学生時代にそこまでの実績はなかったが、大学4年生からぐんぐん力をつけ、その勢いを止めることなく大関まで駆け上がった。しかし、やはりちゃんとした指導者がいないせいでその後は伸び悩み、ついには不祥事まで起こし、大関から陥落してしまった。

 これから大相撲界に入門すると考えている学生たちは、自分の将来のことであるから、よくよく真剣に考えてもらいたい。大学で受けたハイレベルな指導は大相撲界ではほとんど期待できないと考えた方がいい。自分の体を1つの会社と考え、自分で研究し、自分で動き、自分で作り上げていかなければいけない。信念をしっかり持ったうえで、周りが何を言おうがおれはこのスタイルで行くんだと言うぶれない精神を常に持っていないと潰されてしまう。

これは単純な話ではなく、人間同士の相性でもあるから一概には言えないのだが、学生が入門するのなら、やはりその部屋の師匠も学生出身力士であることがまず最低限必須なことだと思う。学生であるが故の苦悩もわかるであろう。

もし本気で大相撲入りを考えているのであればぜひご相談ください。

 

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